第21章 感情
「…あの…男の人ってお年寄りのDVDとか見るんですか?」
「は?」
「例えばAVとか!!バーチャン★ジーチャン!!ムラムラ…―――。」
「普通に見ねぇだろ、気持ちわりぃ。」
ですよねー。
今更ながら後悔した。
「じゃあ、仮に…仮にですよ、それ趣味で見てたって彼女に誤解されて勝手に無視されたりしたらどう思います?」
「……フツーに辛いだろ。」
「そうですか…。」
なんだか誠也君に対して、罪悪感が生まれてきた。
普通に考えて、彼がおげれつなDVDを見るだろうか。
誠也君が言っていた事は本当かも知れない。
また彼を信じなかった。
頭を抱える。
「……秋本のことか?…喧嘩したのか?」
ブルーの瞳があたしを見ている。
「…はい。」
小さく頷いた。