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レッテル 2

第3章 もう一人の男~


「………。」

高嶋は何も言わない。
ジッとあたしを睨んでいる。
でもそれが恐ろしくて、震える唇をキュッと噛んだ。

「はい、そうですね……とでも言うと思ったか?」

パシンッ―――

乾いた音が響いた。
激しい痛みがジワジワと頬に広がる。

「テメェッ!!高嶋ぁッ!!」

「誠也!!」

あたしの後ろで、今にも飛びかかりそうな誠也君を必死に先輩達が止めている。

「女だから何もしねぇ……そう思ったんか?あ?んなわけねーだろ、俺に逆らう奴は女でも許さねぇ。」

上から高嶋があたしを見ている。
込み上げてくる涙を堪えながら、あたしも彼を見た。
キッと睨み付ける。

「女…女って馬鹿にしないで。あたしはあんたを許さない。」

震える唇で吐き出した言葉。

悔しかった。

何故かわからないけどすごく――。

「女ごときが……来いッ!!」

「放せッ!!」

手を掴まれた。
強引に引きずられる。

「秋本、もうこの女返さなくてもいいよな?女なんてまた飼えばいいんだからよ。」

立ち止まってそう言った高嶋の口角がつり上がった。

「ふざけんなッ!!」

彼が先輩達を振り払い高嶋に殴りかかる。

バコぉッ―――

高嶋の顔が横を向いた。
誠也君が立ち止まる。
彼ではなかった。

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