• テキストサイズ

レッテル 2

第20章 債務者と書いてカモと読む



「棗ッ!!」


驚かせようと思ってノックをせずに開けたドア。
でも、それが間違えだったのかもしれない。

「え……?」

ベッドの上に無造作に寝ていたのは、知らない男。
身体が大きくて、山吹色の髪の人。
眠っているから分からないけど、どこかで見たことがあるような気がした。

とりあえず、ここは気付かなかったフリをする。
そーと閉める扉。


「痛ッ!!」


そういう時に限って挟む足の指。
しかも、小指。
激痛が走る。


――最悪っ……。


痛みで悶えていると、

「……誰だ?」

ベッドの上で眠っていた人物が目を覚ました。

ゆっくりと起き上がり此方を見ている。


「あ……。」


よみがえる記憶。
山吹色の髪の男。


「………。」


起き上がった彼は、なにも言わずにジッとあたしを見ていた。

/ 542ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp