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レッテル 2

第20章 債務者と書いてカモと読む



「財布…あたしの財布、息子が買ってくれたのに。返してよぉ~。」

老婆が渡瀬の服をつかんだ。
ひどく歪んだ顔。

「なら、その息子に借金立て替えてもらえ。」

汚いものを見るような目で老婆を見ると、手で振り払って背を向けた。

「いくぞ。」

「はっ…はい。」

歩き出す渡瀬の背中を春本が追いかける。

「鬼!!くたばれ!!」

老婆の叫び声が聞こえてきた。

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