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レッテル 2

第3章 もう一人の男~



ヴォンヴォンヴオォォン―――

鳴り響く排気音。
ジグザクに動くバイク達。
でも、いつものような輝きが彼等にはない。

空気が重たいまま始まってしまった暴走。
先頭を走るのは彼ではなく、高嶋。
その後ろを望田さん達が走り、そのまた後ろで誠也君達が走る。
誰も騒がない。
コールも何もない。
ただ走っているだけ。
なんだか、寂しくなった。



「アキがいねーと、テメーらは何も出来ねぇのか?」

誠也君の特等席である黒光りする大きなソファー。
そこを今、高嶋が陣取っている。
でかい態度で。

どんな人かはよくわからないけど、あたしは苛立ちを感じた。

空気を乱しただけではなく、彼のいるべき場所まで奪ったこと。
彼を殴ったこと。

それが、何より許せなかった。



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