第20章 債務者と書いてカモと読む
バカみたいにギャンブルに溺れ、泥沼にハマる人間もいれば、
周りに合わせ過ぎて身分をわきまえない生活を送り地獄を見る人間もいる。
はたまた、頑張っても普通に生活を送れない人間も沢山。
"可哀想な人間"
そうひとくくりにすれば、世間からはそう見えるかもしれない。
だけど実際にそう思う人間は少ない。
例えば、外から入ってくる害虫。
殺す度に"可哀想"と思う人間はいるか?
いるならば何故殺す?
肉も、野菜も、魚も全て生き物。
それらにいちいち情けをかけて、全てを食べない人間がいるか?
それと同じ。
底辺の人間を食い物にして大きくなる人間もいる。
"弱肉強食"
正に世の中はそれ。
情けをかければ先には進めない。
大きくもなれない。
だからこそ、渡瀬(かれ)は弱者を食らい続ける。