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レッテル 2

第20章 債務者と書いてカモと読む


ダンダンダン――

「田辺さん、返済日すぎてますよッ!!」

響き渡るドアを叩く音。
渡瀬の部下の城山(じょうやま)という坊主の男が激しく叩いていた。

「煩いからやめろ。」

そう言って渡瀬はポケットからピンを取り出した。
それを鍵穴に差し込みカチャカチャと動かす。
やがてカチャリと音を立て、開く鍵。
ゆっくりとドアを開いた。

「誰っ!?」

入ってくる見知らぬ人物に慌てる子供。

「恐いよ…お兄ちゃん。」

四畳半くらいの狭い部屋で兄弟が抱き合っている。

「業者呼べ、利子分のモノを買い取らせろ。」

それにものともせず、渡瀬は土足でズカズカと家の中へ入った。
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