第20章 債務者と書いてカモと読む
話は少し戻って白川ファイナンスのお話。
亜久里の帰った後、渡瀬は部下と一緒に取り立てに向かっていた。
白川ファイナンスの利息は、7日で5割。
その為、逃げようとする者があとを立たない。
けれど、渡瀬が債務者(カモ)を逃がした事など一度もなかった。
例外も無しで、違法の取り立てを続けている。
"幸せ壮"
そう表記されているアパート。
初めての人が見たら、必ずや"ダジャレか?"と思うようなネーミングセンスのなさ。
名前のわりには所々老朽化が進み、完全に名前負けしているような建物だ。