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レッテル 2

第19章 君、金と薬に溺れていくことなかれ


「ん……。」


翌朝。
いつの間にか眠ってしまっていた棗は、辺りをキョロキョロと見渡した。
亜久里の姿はない。
床に敷かれた布団は綺麗に畳まれている。

嫌な予感がした。

慌てて飛び出す部屋。
静かな家に、慌ただしい足音が響く。
少し長い階段を駆け降りて、玄関に立ち尽くす。

黒い大きなスニーカー。

綺麗に並べられたそれは、玄関に目立つようにあった。
それだけでも安心感が棗の背をなだめる。
一気に不安が吹き飛んだ。

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