第19章 君、金と薬に溺れていくことなかれ
「……わかりません。だけど、このまま平さんが居なくなったら龍星どうするんスか!?アンタのチームだろ!?アンタが導かないと皆さ迷っちまうんだよ!!」
「………。」
棗の叫びがジーンと亜久里の中で響き渡った。
今までチームなんてどうでも良かった。
勝手に出来たギャングチーム。
トップの誇りなど全くなく、ただの暇潰しだった。
なのに、目の前の少年はチームの事に熱くなっている。
ますます心が乱されていくようだ。
正直、もう考えることも辛い。
何も考えたくない。
亜久里は唇を噛んだ。