第19章 君、金と薬に溺れていくことなかれ
桜の顔が歪んだ。
彼女もまた、汚いものを見ているかのような表情をしている。
そして、三人でヒソヒソと話始めた。
「あのよ、ハッキリ言っとく。…俺は翔に騙されたんだ。」
そう言っても、桜達の表情は変わらない。
むしろ、俺の言葉が言い訳がましく聞こえる。
「気持ち悪いから、今日から近寄らないで。」
グサッ―――
そして、突き刺さる桜からの毒矢。
ジワジワと毒が俺の身体を蝕んでいる。
「三人で寝よっか?」
「あぁ。」
「敷布団で寝よ。」
彼女の手で消される部屋の灯り。
「じゃま。」
「は?」
強制的に退かされる俺。
三人は二枚の敷布団で桜を真ん中に仲良く眠ってしまった。
――最悪だ。
俺はベッドに腰かけた。