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レッテル 2

第19章 君、金と薬に溺れていくことなかれ


棗がベッドでぐっすりと眠る中、亜久里は眠れずにいた。
理由はただ一つ。

"薬"

身体がそれを欲していた。
冬なのに妙に吹き出る汗。
喉が水分を欲している。
それどころか、先程から無数の目が見ているような気がした。

全ては依存から来る"幻覚"。

「ハァ………ハァ………。」

乱れる息は治まる事を知らない。
破壊的衝動が全身に駆け巡る。
薬を買えなくなって何日か経つ。もう限界だった。
肉体的にも、精神的にも。


――やはり、ここにいるべきじゃない。


自分を受け入れてくれた人達を、これ以上傷付けまいとフラフラと立ち上がった。



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