第19章 君、金と薬に溺れていくことなかれ
ウゥゥゥン――
先程から家に響く掃除機の音。
彼がせわしなく動いている。
「………。」
彼のおかげで、だいぶお腹はラクになった。
身体を起こし、夕飯の仕度をする事にした。
「…お前はいいから寝てろ。」
けれど、掃除を終えた彼に阻止される。
向かおうとしたキッチンは、あっという間に誠也君に占拠された。
結局、何もすることなくソファーに座ってテレビを見ることしか出来ない。
「風呂掃除したから。」
少々服が濡れている清治君が、部屋に入ってくる。
「姉御はゆっくりしてればいいの。」
先程帰ってきた勇人君がソファーに座って笑顔で言った。
「ありがとう…みんな。」
あたしもつられて笑顔になった。