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レッテル 2

第19章 君、金と薬に溺れていくことなかれ



「棗ちゃん帰ったの?あらまぁ、お友達?こんにちは。」

棗が玄関を開けると現れた女性は、意外にもおっとりとしていた。
見た目で"中毒者"と分かるような亜久里を見ても、顔色ひとつ変えず笑っている。

「……ちわ。」

だからだろうか。
彼は少しその女性に見とれてしまった。

「うん。あのさぁ、しばらく平さん泊めてもいいよね?」

「もちろん、息子が増えるのは嬉しい。」

――息子?

女性の言葉に、亜久里は更に驚いた。
見ず知らずの二十歳前の大男を"息子"と言ったのだ。
正直、耳を疑った。


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