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レッテル 2

第19章 君、金と薬に溺れていくことなかれ



「そんなとこいたら濡れますよ?」

微かに肩を雨で濡らした棗が、ジッと亜久里を見て言った。

「……あぁ。」

小さくする返事。
雨の音で消えていく。

せっかくの親切も、亜久里には悪い方向にしか考えられない。
何をするかも分からない薬物中毒者を家に招き入れるなど、無謀に等しいから。

――何かを企んでいるのかもしれない。

疑いながら進める足はどこか躊躇していた。
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