第19章 君、金と薬に溺れていくことなかれ
ザァァアア―――
家に着くと、雨はいっそう激しくなった。
「大丈夫か?」
心配そうに見てくる彼。
「う…うん。」
そう言いつつも素早く二階へ上がった。
あわてて下着と生理用品を持ち、階段を駆け降りてトイレへ入った。
案の定、生理は始まっていた。
汚れた下着を手にお風呂場へ向かう。
「どうした?」
何も知らない彼が尋ねてくる。
心配してくれているのに、それが何故かムカついた。
――察してよ。
余計なことまで考えてしまう。
「………。」
だからあえて口を開かなかった。
傷付けたくなかったから。