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レッテル 2

第19章 君、金と薬に溺れていくことなかれ


それよりも、この少女に見覚えがある。

秋。

そして、自分の前に立ちふさがる姿。

最後に思い出したのは赤髪の男。

今になっても自分を掻き乱す女と男に不快感さえ覚えた。


「でも、ずっと家に帰ってこないんですけどね。」

「……なんでだよ?」

苦しそうに笑う棗に、思わず亜久里は尋ねた。

「きっと大事なモノ見つけたんですよ。それに…桜は俺と違って周りを幸せにするから。」

「は?」

「アイツの笑顔みたら、嫌なこと全部忘れられるんですよ。きっとあの人もそうだから――。」

棗はそう言うと、空になった缶をゴミ箱に放った。


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