第18章 自己流“彼女の扱い方”
「ん。」
結局、俺は何も言わずに渡した。
沢山女を連れているチャラチャラした男みたいに口達者なら、上手い言葉のひとつやふたつ言えただろう。
「……うん。」
悲しそうに歪む彼女の顔を、俺はまともに見ることは出来なかった。
所詮、女の気持ちは男には分からない。
いくらか女が頑張っても、分かってやることが出来ない。
だって造りが違うから。
身体も、見た目も、考え方も。
世の中、分かる奴もいるかも知れないけど、大概嘘つく奴が多い。
それなら知ってるフリをするよりも、分からないと言うことを素直に伝える事の方がずっと楽な気がする。
多分相手もきっとそうだから。