• テキストサイズ

レッテル 2

第18章 自己流“彼女の扱い方”


「誠也ちゃん、弁当食べんならちょうだい。」

飲み物を飲みながら翔が俺を見ている。
全く弁当に手をつけていない俺。
そう思われるのも当然。

「んなわけねぇだろ。」

そう言って、掻き込むように急いで弁当を食べる俺。
正直味なんて覚えていない。
それを唖然とした表情でみんなが見ていた。


「お前、梅干嫌いだったか?」

拓が苦笑しながら最後に残った赤いモノを見ている。

「嫌いじゃねぇけど…。」

朝の一件でうんざりしている。
隣では事情を知っている清治が笑っていた。

「やっぱり、桜ちゃんは優しいな。」

拓の口元が緩んだ。
そして、


「梅干は疲れに効くんだよ。」


呟くように言った。


/ 542ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp