第3章 もう一人の男~
「やべぇことになった。」
がベッドで眠ってしまった頃。
深刻な表情の二人がベランダから戻ってきた。
「どーしたん?」
テンションの上がった三善が二人に尋ねる。
「出てきやがった。」
胡座をかいて座った誠也が真剣に彼等を見た。
その隣に藤崎も座る。
「誰が?」
西村が尋ねた。
「高嶋……さん。」
藤崎が小さく答えた。
わずかにだが、彼の手が震えている。
「マジかよ……。」
酔いが一気に冷めたように、皆が目を見開いている。
「最悪じゃん!!人の女には平気で手出すし、敵味方関係無く暴力奮うし………何より加減がねぇ。」
ギュッと三善が拳を握った。
「明日の暴走もまずいんじゃないか?」
「だな。目立ちすぎる。」
大川の言葉に竹井が頷いた。
「だけど、暴走は俺達の魂かけてんだ。簡単にはやめられねぇ。だから、明日は望田さん達も出るらしい。」
誠也が真剣な口調で言った。
「なら大丈夫じゃね?」
三善がほっと溜め息を吐く。
「わかんねぇ。ただ今言えることは、あの人を止められるんは上田さんだけってことだ。」
誠也の言葉に皆が俯いた。