第17章 逆々襲
ここでも勘違いは生じていた。
――んだよ、このクソ女共は?さっさと帰ってと……。
彼は別の事でニヤニヤしていた。
夢の中での良からぬ妄想が、今になって膨らんでいるのだ。
けれどその事を知らない少女の勘違いは、どんどん悪い方向へ進んでいく。
結局は違う意味で進藤の罠にハマっているのだ。
「はぁ……。」
清治は溜め息を吐いた。
この面倒臭い状況を打破出来るのは自分しかいない、そう思った彼は女達の前に立つ。
「あのさ、進藤に言っといてくれる?"汚い手使わねーで堂々と来い"ってね。あんたら、それぐらいできるでしょ?」
面倒臭そうに頭を掻く清治。
「バカにしてるの?」
歪む女達の顔。
「いや、見下してる。」
微かに口元が持ち上がった。
「ガキのくせにムカツク!!」
そう言って足を翻す女達の後ろ姿はガサツで汚ならしい。
美人?
そんなのは見た目だけ。
本当の美人は心まで綺麗な女だと清治はつくづく思った。