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レッテル 2

第16章 外れる鎖



「お前、ぜってーここにいろ。いや、こっから出んな!!」

そんな奴を野放しにするわけにはいかない。
一度渡した船だ。
最後まで渡す義理がある。

「は?」

もちろん清治は驚いていた。
けれど、微かに緩む口元。
そこからにじみ出る喜びを感じ取る事が出来る。


――素直に"嬉しい"って言えばいいのによ。


本当に不器用な奴だ。
けれどそういう所が、自分に似ている気がした。


「あれ?どうしたん?」

洗面所から戻ってきた勇人が、目を擦りながら俺達を見ている。

「別に、ガキは早く寝ろ。」

そう言って取り出す煙草。

「ガキ扱いすんなよ。」

少し怒った勇人がベットに入った。
桜にくっつくように寝ている。


――なんて羨ましいんだ。


そう思いながら煙草に火を着けた。
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