第16章 外れる鎖
夜中。
ふかふかのベットの上で彼女は無造作に寝ていた。
俺の心を乱すだけ乱して、色っぽく寝ている彼女はある意味罪人だ。
「これからどうするんだ…お前。」
そんな彼女を背に、清治に尋ねる。
「ここにずっといてもかまわねぇぞ?一人増えようが関係ねーよ。」
むしろ家族は多い方が楽しい。
将来は大家族で過ごしたい。
――そん時は彼女が大変だけどな。
思わず笑ってしまった。
「わかんねぇ、……でも始めてどこかにいたいって思った。」
「"思った"って、自分の家に帰ってたんだろ?」
「いや、一年以上帰ってない。」
「は?」
清治の言葉に俺は驚いた。
「生活どうしてたんだよ!?」
第一に出た疑問。
「マン喫で寝泊まりしてた。」
「金は?」
第二の疑問。
「毎月口座に振り込まれてる。」
「なんだよそれ…。」
清治の口から出てきた言葉に次々と驚かされる。
要するに、まともな生活を送っていなかったと言うことだ。