第16章 外れる鎖
「嬢ちゃん風呂、嬢ちゃん風呂、嬢ちゃん風呂――。」
がお風呂に入ってからずっと、お経を唱えるように善司が呟いている。
誠也は訝しげに彼を見ていた。
何故なら、彼のズボンがどんどん持ち上がっているから。
男なら直ぐに分かること。
でも、その膨らみは尋常じゃない。
下品だが、最悪なチンポジだ。
――何考えてんだよこのオッサンは。
誠也の怒りは増す一方。
でもそんな時に限ってやって来る甘い香り。
「どうしたの?」
お風呂を上がったばかりの女性というのは、どうにも色っぽい。
火照った頬に潤った唇が何とも誘っているように見える。
ゴクリッ―――
飲み込む生唾。
餓えた野獣達には少々強い刺激。
誠也も例外ではない。
彼も最近ご無沙汰な為餓えていた。
「ん?」
首を傾げる。
少女よ気付け。
ここが危険であるということを。