第16章 外れる鎖
「へぇ……嫁さん。」
喧嘩をしたくないのと、沸き上がってくる怒りで物凄い形相の誠也君。
例えようがない。
震える彼の手が、拳を握っている。
「あたし…お風呂入ってくる。」
もうこの場に居たくないあたしは、お皿にラップをかけ口を開いた。
「風呂?」
反応する野獣達。
危険オーラを醸し出している。
その中には誠也君もいて、清治君と勇人君は呆れていた。
「あ…うん。」
振り向いて頷くあたし。
その反動でスカートが揺れる。
下着が見えるか見えないかの絶対領域。
わざとではないが、野獣達は釘付けになる。
――なんだか危険だ。
慌てて出る部屋。
二階へ上がり寝間着と下着を持って浴室へ向かう。
服を脱ぐ最中も、浴室へ入る最中も、気が引けなかった。