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レッテル 2

第16章 外れる鎖



「終わったんだね全部。」

家に帰った後。
手早く作ったご飯を並べた食卓を皆で囲む。

「終わってねえよ…何も。」

ご飯を口に含んだ彼が低く呟く。

「残念だけど、それが正解。」

隣に座る清治君が、彼の言葉に続いた。

「あとさ、一つ言っていいか?」

「うん。」

「……何でテメー等まで普通に飯食ってんだよ!!」

スプーンを置いた彼がテーブルを叩いた。

「いや、姐さんがご飯食べていけって言うから。」

そう言いながら山代の若中がカレーを口に含んだ。

「さすが若の嫁さんになるお方。人参がハートとか可愛らしい。」

強面の男達の口元が緩む。

「嫁?」

誠也君の顔は真逆で歪む。

「コイツ等が勝手に言っとんじゃ。」

そう言いつつも、カレーを食べる彼の顔は満更でも無さそうだ。


ややこしいことになってきた。
羨ましいことに、清治君と勇人君は関わりたくないようで無言でご飯を食べている。
あたしのスプーンはさっきから進まないというのに。

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