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レッテル 2

第16章 外れる鎖



「じゃあ、気をつけて。」

車の運転席に座る宗次郎さんが、窓を開けて言った。

「宗次郎さんも気をつけて。」

「あぁ、ありがとう。」

そう言って警察署を出ていく車。
誠也君は最後まで彼と話さなかった。
終始機嫌が悪そうで、煙草を吹かしている。
それよりも、

「……なんで、オッサンアイツと帰んなかったんだよ?」

善司が車に乗らなかった事が不思議でしょうがない。

「あ?おどれの家に下っぱ置いとるから、そいつらと一緒に帰るんじゃ。」

「だからって残る必要ねぇだろ。」

「それはワシの勝手じゃ。帰るぞ、嬢ちゃん。」

「えッ!?」

肩に触れる善司の手。
状況が理解出来ずに、あたふたとしてしまう。

「なんでお前が仕切ってんだよッ!!」

煙草を捨てた彼が後ろから走ってくる。
清治君はゆっくりとその後ろを歩いて来る。


暫く騒がしかったのは言うまでもない。


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