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レッテル 2

第16章 外れる鎖



「今日はありがとうございました。」

警察署の前。
深々と下げるあたしの頭。
目の前には宗次郎さんがいる。

「いや、気にしなくていい。」

優しい笑顔で答える彼は、あたしよりずっとずっと大人だ。
雰囲気がそう感じさせる。

「けッ――。」

それを見て、善司が不服そうに吐き出した。

「善司さんもありがとう。」

この人にも助けられた。
色々と。

「別に、わしゃ何もしとらんわ。」

目を合わさずに顔を反らされた。
なんだか複雑な気分になる。
無視されてないにしろ、顔を背けられるのは辛い。

「まぁ、よかったの。ガキが戻ってきて。」

けれどクシャクシャと頭を撫でられる。
口元は僅かに笑っていた。



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