第16章 外れる鎖
誠也君たちが不気味なオーラを醸し出している中。
いまだに感じるスカートの中への視線。
下を見れば、ヨダレをたらし、鼻の下を伸ばした橋田がジッと見ていた。
「きゃッ!!」
とっさに手で隠すスカート。
「チッ――。」
微かに橋田が舌打ちした。
イライライラ――
沸き立つ苛立ち。
「変態ッ!!」
ゴシャッ――
「ふげっ――」
思わずローファーの底で橋田の顔を思いっきり踏み潰した。
なんだか胸がスーッとする。
「…。」
ふと見れば彼が驚いている。
彼だけではない。
その場にいた皆が驚いた顔をしている。
「覗かれたから…つい…。」
なんだか恥ずかしくなって俯いてしまった。