第16章 外れる鎖
「は?釈放?」
同時刻。
隣町の若者で溢れるクラブの店内。
女に囲まれて楽しんでいる進藤の顔が歪んだ。
原因はただ一つ。
"留置所に入れられている誠也が釈放された。"
その事だ。
「何でだよ!?確実に鑑別行きじゃねーんか!?あっ!?」
騒がしい音楽に負けないくらいの大声で騒ぐ進藤。
女達が驚いている。
「いや、なんでも山代の若頭の嫁が岩中の若頭に頼んだらしい。」
武本が喉に酒を流すと言った。
「それこそマジでわけ分かんねーよ。なんで、ババァがしゃしゃり出るんだよ。」
進藤の言葉に女達が笑っている。
「ババァ?いや15歳らしいぞ。しかもかなりの美人だと。」
「はぁ?」
武本の言葉に進藤が驚いている。
笑っていた女達も顔をひきつらせた。