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レッテル 2

第16章 外れる鎖



「こ…これでいいんだろ?」

ドアの所に立つ橋田が、小さく吐き出した。
どこかを見ている。


――そういえば……。


忘れかけていた怒りが、再び舞い戻ってきた。

「ごめん。」

そう呟いて立ち上がる俺。
ゆっくりと足を進める。

「そーいやテメェ…がどうとか言ってたよな?」

ボキボキと拳を鳴らしながら橋田を見た。

「な…――。」

「お望み通り、肉ミンチにしてやっから…こっちに来いッ!!」

「ヒイィィィ!!」

構える俺を前に、転がるように橋田が逃げている。

「宗次郎、豚が転がって来たぞ。」

「逃がすな。」

「うるさいのぉ、まぁ今回は大人しくきいたるわ。」


ガシッ――


逃げてくる橋田のブヨブヨの顔を、善司が掴んだ。
片手で。

「おどれ、汗かきすぎなんじゃ!!ヌメヌメして気持ち悪いわッ!!」


ゴシャアッ―――


そう言って叩きつける橋田の後頭部。
橋田の口から大量の唾液が飛び散る。

「汚なッ――。」

善司は近くにあったモノで手を拭いた。


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