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レッテル 2

第16章 外れる鎖



「どうしたのその手!?」

頭が答えを見出だす前に、入ってくる人影。
汚ならしい場所でも、気にせず俺の手にそっと触れる温かな手。
わずかな明かりに照された顔は、今にも泣きそうな顔をしていた。

「桜…ごめん。」

小さく吐き出す言葉。
情けないけど、唇が震える。

それよりも、また彼女を不安にさせてしまったことが、一番情けない。

「ううんっ――。」

そう言って首を横に振った彼女の目から、わずかに透明な液体が流れ落ちた。

「よかった。」

そして、嬉しそうに笑っている。
涙を目にいっぱい溜めながら。


なんだかそれが、苦しかった。


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