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レッテル 2

第16章 外れる鎖



「何を企んでる?」

さほど大きくない部屋。
宗次郎さんが低く唸るように言った。

「別に…何も企んどらん。」

橋田は平然を装っているが、明らかに動揺していた。

「嘘を付くな。また秋本を使って彼女に手を出そうと考えてるんだろ?」

――あっ……嫌だ。

また夏の記憶がよみがえってきた。
椅子に座ったあたしは、ギュッとスカートを握りしめ俯く。

「………。」

黙って壁に立っている善司はそれを見ていた。
いつになく真剣な表情で。

「な…何の事だ?知らんな。」

しらばっくれる橋田。
額から垂れている汗が尋常じゃない。

「とぼけるな。……お前を潰すなど、俺には簡単な事だ。今すぐにでも――」

「まっまて……お前の目的はなんだ?」

鋭く睨み付けてくる宗次郎に、橋田は焦って問う。


「秋本の解放……それだけだ。」



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