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レッテル 2

第15章 疑いと手枷



見えてくる大きな建物。
警察を表す金色の紋章。
闇夜が醸し出す不気味な雰囲気で、少し黒ずんで見える。

車はゆっくりと警察署へ入っていく。
そして迷わず進む駐車場。
片手で素早くハンドルを操り、バックで止める車。
カッコ良くて男らしい。

「そんなんワシも出来るんじゃ。いや、ワシの方がもっと綺麗で早い。。」

それに対して、敵対心剥き出しの善司。
本当に子供だ。

「…くだらん。」

宗次郎さんはそう吐き出すとエンジンを切った。
鍵穴から抜く車の鍵。
ブランドのキーケースが音を立てる。


ガチャ――

バタン――

ドアを開けて宗次郎さんは車を降りた。
そして、あたしのドアの前まで来ると、

ガチャ――

「おいで。」

ドアを開けてくれた。
なんて優しい人なんだろうか。
思わず、"キュン"と胸が高鳴る。
彼が差しのべた手にそっと手を置くとゆっくりと車を降りた。

「けッ――なんジャソレは、気持ち悪い。」

車を降りた善司が、宗次郎さんを見た。

「なにがだ?」

宗次郎さんが不機嫌そうに善司を見ている。

「お前の行動が気持ち悪いんじゃ。男やったらデカイ態度でいかんかい。」

善司も機嫌が悪そうだ。

「…俺がこうするのは彼女だけだ。」

宗次郎さんは清治君が降りたのを確認すると、セ ンサーで鍵を締めた。
その証拠に、車のウィンカーが点滅している。


"やさしくするのはあたしだけ?"

そんなことよりも、宗次郎さんの言葉に胸が高鳴る。
こんな素敵な人に言われると、恥ずかしくならないハズがない。
心臓がサンバを踊っているかのように激しく動いている。
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