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レッテル 2

第15章 疑いと手枷


「何で、ワシがガキと後ろに座らんといけんのじゃ!!」

移動する宗次郎さんの車の中。
スピーカーから流れる、刺激のない音楽を遮るような騒音が響き渡る。

「うるさい、お前は今すぐ降りろ。」

そう言って、善司が座っている所の窓が開いた。
まるで、"窓から出ろ"と言わんばかりに冷たい風が入ってくる。

「いや、流石にムリじゃろ!!」

「ならば、静かにしろ。」

再び閉まる窓。

「ワシも嬢ちゃんと座りたかった。」

微かに聞こえてきたが、聞こえないフリをした。
宗次郎さんも、同じ。
運転に集中している。


あれから、直ぐに宗次郎さんの車で警察署に向かうことになった。

「また、迷惑かけてしまって……すいません。」

助手席に座るあたしは、小さく謝る。

「いや、かまわない。…そんなこと気にしなくていい。」

そう言った宗次郎さんの口許が優しく緩んだ。

「………けッ――。」

それを見て、善司が舌打ちした。


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