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レッテル 2

第15章 疑いと手枷


「どうした?」

恥ずかしそうにしているあたしを、宗次郎さんはジッと見ていた。
ここからも感じる視線。
だけど、あたしが早く言わないかぎり、誠也君を助ける事が出来ない。

「あの――。」

意を決して、口を開いた。

「あー、そういや秋本のガキが捕まったんじゃった。わすれとった。」

が、先に言われる相談内容。

「どういうことだ?」

宗次郎さんの目が善司に向いた。


――自分の口で言いたかった。


何故か複雑な心境になった。

「嬢ちゃんが泣き出して、あの銀髪のガキが来て"秋本を助けてくれ"言うからお前のとこに来たんじゃ。」

「……お前に聞いた俺がバカだった。」

再び宗次郎さんは、深く溜め息を吐きながら頭を抱えた。

――今こそあたしが言うべきだ。

「あの――」

「隣町に"死鬼"って愚連隊があるんです。そのトップが"進藤"っていうタチの悪いやつでして、そいつが女使って秋本さんをサツに売ったんです。」

また、あたしの言葉は清治君によって遮られてしまった。

「…そうか。」

宗次郎さんは、理解出来たように頷いた。

「ワシもそれを言おうとおもっとったんじゃ。」

「お前は黙れ、話がややこしくなる。」

鋭い目線が善司に突き刺さる。

――今思ったけど、宗次郎さん善司さんには冷た いなぁ…。

ジッと彼等を見た。

「なんジャと?おどれは、ワシの親切を無にしやがって……。」

「親切?迷惑の間違えだ。」

「いちいちムカつくんじゃ、おどれは!!」

叫ぶ善司の眉間に大量のシワが寄った。


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