第15章 疑いと手枷
「あのっ――……。」
空が真っ暗になった頃。
ずっと黙っていたあたしは口を開いた。
目の前にいるのは宗次郎さん。
具合が悪いのか頭を抱えている。
少し気が引けたが、あまりここで時間をかけるわけにはいかない。
「宗次郎さん。」
「――あぁ、悪い。どうした?」
先程とは打って変わって、優しい表情で宗次郎さんはこちらを見た。
何故かそれを、さっきまで騒ぎまくっていた善司と加藤がジッと見ている。
「えっと……――。」
言葉を吐き出そうとすると、彼等の眼光があたしに向いた。
それだけではない。
その場にいる皆があたしを見ている。
――なんだろう…すごく居づらい。
多くの人の視線を感じる時ほど緊張するものはない。