第3章 もう一人の男~
バンッ―――
「チャース!!」
突然開く部屋のドア。
そして、聞こえてくる聞き覚えのある声。
「退院おめでとう!!」
「 ちゃんの快気祝いしよーぜ。」
「派手に騒ごうや!!」
中へ入ってくるテンションの高い先輩達。
手には酒やらつまみやらいっぱい持っている。
「俺ん家でかよッ!!……まぁ、いいけどよぉ。」
洗濯物をたたみ終えた誠也君があきれたように溜め息を吐いた。
「乾杯ッ!!」
そう言って開けられていく缶ビール。
酔っぱらっていく皆。
「ギャハハハハ!!」
「それってよぉ……。」
あたしも少しは飲んだが、彼等ほど酔ってはいない。
――勇人君が友達の家に泊まりにいっててよかった。
心からそう思う。