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レッテル 2

第15章 疑いと手枷


憎まれ口を叩いても、橋田はニヤニヤと笑っていた。

悪趣味だろ。

それとも単なるバカか?

どっちにしても、一発殴りてぇと思うのは俺だけか?



「……ザマァミロ。」

聞こえてきた掠れた声。
なんども聞こえてくる。
まるでお経のように。

けれど、完全に無視。

「……負け犬。」

これも無視。

つーか、それオメェだろ。
あぁ、わりぃ。
"負け豚"だったな。

「……ゴミ。」

無視。

ガキかコイツは!?
今時そんなんじゃキレねぇよ。




「…あぁ、そう言えばお前のメス犬、なかなか上手かったぞ?」




「どうやって調教した?ん?毎日させてんじゃないのか?まったく悪趣味な奴だな、お前は。する女もカス同然だけどな。」



「――んだと、テメェ!!」



これは流石に無視出来ない。
一発?んなもん、ぬりぃ。


――ブッコロス


力の入った目で橋田を睨み付けながら、立ち上がる足。
進む身体。
鉄のドアの前まで進む。
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