第15章 疑いと手枷
まぁ、そんなことは食わなければいいだけのこと。
取り調べも、口を開かなければ数日でこの部屋から出ることが出来る。
証拠も何もねーんだから。
そもそもこれは"冤罪"なんだよ。
つーか、何回冤罪起こしてんだ?
この町の警察は。
それよりも、
橋田クビにしろよ!!
俺のただの願望だ。
けれど、口に出すことはない。
恥とかそういうのではなく、ただ誰かに弱音を聞かれる事が嫌なだけなのだ。
それに、先程から見張りの警官の足音がドアの前から何度も聞こえてくる。
――いや、この足音は警官じゃねぇ。
何度もここに入ってるから分かる、経験という名の第六感が働く。
ガタッ――
そして、開く鉄のドアに備え付けられた小窓。
そこから見えた顔は醜い脂肪の付いた目。
汚ならしく笑う顔。
荒い息。
「気持ちわりぃ……見てんなよ、クソブタ。うぜぇんだよ、今すぐ消えろ。」
橋田だ。