第15章 疑いと手枷
今ごろ彼女は何しているだろうか。
ジッと床に座っている俺。
そこから小さな窓の外を見た。
真っ暗な景色。
冬の為、暗くなるのが早い。
けれど、ここで過ごす時間はあまりにも遅い。
――取り調べはわりと早く済んだのに、何故無駄な時間は早く過ぎねぇんだよ。
そんなグチを言ったって何も変わらない。
現実も、何もかも。
警察官が置いていったゴミのような飯。
いつ表に出たかわからないような乾ききったご飯に、粗末なおかず。
例え、死ぬほど空腹だったとしても、それを食べたいと思うはずがない。
それに、ベニヤ板で囲った便器。
もはや、板はなんの意味もなされていない。
むき出しの便器から臭う悪臭に、吐き気さえ覚える。
そんな環境の中で、飯が食えるか?
答えはノーだ。