第15章 疑いと手枷
「…お疲れ。」
肩に触れる手。
振り向けば、清治君がいた。
居た堪れない、同情しているような表情をしている。
「え?」
「…声に出てた、全部。」
訳がわからないというような表情をしているあたしに、清治君が言った。
――何ですと!?
思わず辺りを見渡す。
すると皆が可哀想な者を見るような表情であたしを見ている。
例えるなら、
"雨の日の道端で段ボールに入れられた子犬"
それを見るようなそんな表情。
もう止めてくれ!!
そっとしといて!!
恥ずかしくて、もうここにいたくない。
―――穴があったら入りたいよ。
あたしは、頬に熱が溜まるのを感じた。