第15章 疑いと手枷
「撃ち殺すって……なんかあったんですか?」
「アホッ!!なんかあっただけじゃすまんのや、九条。」
そりゃあすまんも何も、ただのあなたの僻(ひが)みでしょ!?
「……はぁ?」
降りてきた者……もとい"九条"は、訳がわからないと言うような顔をしていた。
この時ばかりは、九条に同情する。
「九条!?――何でアホ猿がここにおんねんッ!!」
バタバタという足音と共に聞こえてくる、聞き覚えのある騒音。
考えなくても分かるあの男。
「どこにいようが俺の勝手だ、クソ犬!!」
もう、何か良いです。
ツッコミ入れることすら疲れてきた。
でも、一気に吐き出すと
何で真冬に真夏の格好してるの!?
あなた達あくまでも"極道"ですよね?
顔だけじゃなくて少しでも極道らしさをみせて!!
そして、話を進めろ!!
無駄な人出過ぎ!!
「ハァハァハァ……。」
乱れる息。
何か一仕事終えたような感覚が、全身を駆け巡っている。
小学生の時、卒業式で言うような
"走馬灯のように駆け巡ります"
まさにソレだ。