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レッテル 2

第15章 疑いと手枷


「……嬢ちゃんどうしたんや?」

「ハッ!!」

我に帰ると不機嫌そうな善司の顔が目に入った。

「具合でも悪いのか?」

宗次郎さんもジッと見ている。


いかーん!!
あたしとしたことが、誠也君以外の人に見とれるなんて。

ブンブンと頭を振った。

「嬢ちゃん、岩中の甘チャンウィルスに感染したとちがうか?」

「ならば、お前は今すぐ帰れ。」

善司の言葉に、宗次郎さんが低い声色で言った。

「は?嫌じゃ。………まさか、ワシをはよう帰らして嬢ちゃんと……。帰らん!!絶対に帰らんわ!!」

大きな玄関の上がり口に座り込んだ善司。
まるで子供だ。

「……本当にバカだな、お前は。」

「……やかましいわ。」

更に善司が不機嫌になった。

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