第15章 疑いと手枷
「宗次郎おるか?」
車を降りると、善治が見張りの男に尋ねた。
「お疲れ様です!!山代の"坊っちゃん"。」
「わかがしに山代の"坊っちゃん"が来たと伝えろ。」
「へい。山代の"坊っちゃん"ですね。」
一番したっぱらしき男が大きな家の中にはいっていく。
「"坊っちゃん"いうのやめれや!!」
叫ぶ善司。
眉間にシワが寄っている。
「何のようだ?山代の"坊っちゃん"」
「だから…坊っちゃんやめれや!!」
すると奥から宗次郎さんが出てきた。
いつもとは違う着物姿にドキドキした。
思わず見とれてしまう。
――女性の着物姿も綺麗だけど、男性の着物姿も色気があっていいと思う。