第15章 疑いと手枷
その頃。
「あんた達……誰?」
学校から帰ってきた勇人は、目の前の光景に驚いていた。
なぜなら、知らない人達が家の前でたむろっているから。
しかも厳つい車が止まっていて、それに合うような厳つい方々。
要するに"ヤ"のつくお方だ。
「坊っちゃんお帰り。」
にこやかに挨拶する男達。
それがますます恐怖心をあおる。
「これ、姐さんからの言伝てです。」
「姐さん?」
誰だろうか?
勇人は皆目検討(けんとう)がつかない。
「若のこれですよ。」
小指をあげる坊主の男。
男達がニヤニヤと笑っている。
「しかし、若がロリコンとは…。」
更に笑い出す。
「いくら可愛いといっても……でも若い嫁さんは憧れるわ。うらやましい。」
「……。」
彼等が勝手に盛り上がり始めたので、勇人は彼等から距離を置いた。そして開く紙。
"出掛けてきます。ちゃんと帰るので心配しないで。 "
可愛らしい字でかかれた文字。
それは、からの手紙だった。
――じゃあ、姐さんって姉御のこと!?
勇人は自分の知らない所で何が起きているんだと脳をフル回転させていた。