第15章 疑いと手枷
狭苦しい生活安全課の取調室。
防音をかねているのか、壁に小さな穴が空いている。
「白状したらどうだ?」
ニヤニヤと汚ならしく笑う橋田。
前にもこんなことあったような気がする。
「白状もなにも何もやってねぇんだよ。レ●プ?笑わせんな。お前と一緒にすんじゃねぇ。」
吐き出すように言った俺。
橋田の顔が醜く歪んだ。
「俺はまだ、お前がにしたこと許した訳じゃ――。」
バンッ―――
「黙れッ!!」
橋田が激しく机を叩いた。
まるで脅してるかのようだ。
しかし、俺はそれに対して驚きもせず、ジッと橋田を睨む。
目の前のクソブタが彼女にした卑劣な行為。
今すぐにでも、このクソブタをぶっ殺してやりたいが、わずかな自制心がそれを抑えている。
橋田に見えないように机の下で拳を握った。