• テキストサイズ

レッテル 2

第15章 疑いと手枷


「その心意気に免じて、この前の事は水に流したる。だが、こっちのシマのサツにはワシ等は口出せんのジャ。他所のシマやからな。」

黙っていた善司が口を開いた。
ガシガシと困ったように頭を掻いている。

「じゃあ――」

清治君が悔しそうに拳を握った。

「アホ、最後まで話聞け。ワシは口出せんけど、宗次郎ならなんとか出来るんじゃ。でも、アイツに頼むんは納得いかんけどな。―――おい、灰皿。」

「へい。」

近くにいた若中が携帯灰皿を差し出す。

「ガキ、ついてくるか?」

「どこに……ですか?」

片言の敬語で清治君が尋ねる。

「岩中組に決まっとるやろ。嬢ちゃんもおいで。」


善司がニィッと笑った。
/ 542ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp