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レッテル 2

第15章 疑いと手枷


「サツに連れていかれたんだよ。」

後ろから聞こえてきた声。

「…クソガキ…こんなところに隠れとったんか……。」

善司の眉間にシワが寄る。
声に怒りを含んでいるのは間違えない。

「クソがきゃあ!!」

「もう逃がさんわ!!」

騒ぎ出す男達。

「待て。」

善司がそれを制した。

「ガキ、どういう事じゃ?」

鋭い視線が清治に突き刺さる。

「…進藤の野郎の罠にハマったんだよ。」

「はぁ?進藤って誰じゃ?」

「死鬼って族のトップ。」

「なんやガキか。下らんわ、秋本もマヌケやの。」

善司が豪快に笑っている。

「……俺の命ならくれてやるから、秋本さんを助けてください!!お願いします!!」

土下座して叫ぶ清治君。
あんなに反抗的な彼が土下座までするとは。
しかも、誠也君の為に。
随分と彼は心が成長したのではないだろうか。

「意外とこのガキ根性があるんやな。」

「クソ生意気なガキ思ったら意外と違うな。」

若中達が話している。

けれど、善司は口を閉じていた。
何かを考えているようだ。
妙な緊張感が走った。
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