第15章 疑いと手枷
「………ごめん。」
ソファーに座って泣いていると、隣に腰をかけた清治君が小さく吐き出した。
今まで彼が謝った事があろうか。
かなりの屈辱だと思う。
「……うぅん。」
小さく首を横に振るあたし。
彼のせいじゃない。
誠也君もきっと同じことをいうはずだ。
「ホント…あんた等といると分からないことだらけだ。でも、何故か悪い気はしねぇ。むしろ楽しいんだ。」
微かに、清治君の口元が緩んだ。
年下の筈なのに、ずいぶんと大人に見える。
ピンポーン――
すると、また玄関のチャイムが鳴った。
もしかしたら"間違えだった"と彼が帰ってきたのかも知れない。
玄関の鍵を閉めていたから、中にも入れないのだろう。
淡い期待で胸を踊らせながら玄関へ走る。